今回は、本ブログでもたまに登場する「IEC 62304」という規格について説明します。
2006年5月に発行され、欧州ではEN62304としてMD指令、IVD指令の整合規格とされています。米国FDAにおいても2008年7月にRecognized Consensus Standardと認定されています。中国では推薦性業界基準YY/T 0664-2008として中国語版IEC 62304が規格化されています。日本国内では2012年にJIS化(JIS T 2304)され、2014年11月に施行された医薬品医療機器法第12条第2項において参照される「最新のライフサイクルモデル」として使用することができると考えられます。
つまり、世界の多くの国、地域でソフトウェア制御を含めた医療機器を販売するためには、その安全性を証明することが必須になっており、そのためにはソフトウェア開発・保守においてIEC 62304に準拠することが求められています。
IEC 62304に書かれている開発プロセスと保守プロセスのアクティビティを図にするとこのようになります。
IEC62304のソフトウェア開発プロセス |
IEC 62304のソフトウェア保守プロセス |
一般的なソフトウェア開発・保守と何が違うのか?
注意すべき点は、IEC 62304に即した手順によって開発工程を実施し、定められた成果物を作成していく必要があります。 従って、時間やリソースが十分に与えられないソフトウェア開発の現場に散見されるような、設計書を書かないまま実装だけが進んでしまったり、単体テスト、結合テストをとばしてシステムテストだけで検証を終えてしまったり、といったことが許されません。
■通常のソフトウェア開発・保守と異なる点
IEC 62304に則した医療機器ソフトウェアの開発・保守では、ソフトウェア開発・保守期間の各フェーズにて、設計・仕様等のソフトウェア開発成果物に基づく患者、および医療従事者の安全にかかわるリスクマネジメントの実施が求められることです。
テクマトリックスではIEC 62304 への準拠、ライフサイクルプロセスの効率化や自動化、または医療機器ソフトウェアに関するMDD、MDR、FDA、CFDA申請に向けたソリューションを提供しています。
また、医療機器ソフトウェアについて、IEC 62304(JIS T 2304)およびFDA適合対応に関係する無料相談会も開催しております。
弊社Webサイトではソリューションの詳細、セミナー情報、各種技術資料なども併せてご紹介しておりますので、是非ご参考ください。